I.はじめに
かつて中国では、質の良い労働力が極めて低賃金で供給されており、日本企業が中国で製品を生産し世界で販売をするというビジネスモデルが成り立っていた。しかし、昨今の人件費の急騰に伴い、中国を世界の工場とするビジネスモデルはもはや成り立ちえない。しかし、購買力を増した13億の人口を抱える中国の消費力を無視することはできず、消費地の近くで生産を継続するために、中国に踏みとどまり、あるいは新たに進出する日本企業も後を絶たない。しかし、昨今の中国人の若年労働者の転職率は高く、営業秘密保護の意識は乏しい。日系企業の技術情報や顧客リストなどの営業情報を用いて、ライバル企業において活躍する者も少なくない。このような営業秘密の漏洩を放置していては、日系企業の国際競争力を維持することはできない。そこで、中国に進出した日系企業の営業秘密をどのように保護するかは、日系企業にとって極めて重要な課題となってきている。
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